HandBrake では映像処理にフィルタを設定することができ、その設定によって横縞やファイルサイズを減少させることもできる。なお、これは以前「HandBrake – DVDを簡単に動画ファイルに変換(1)」で記載した内容を改めて記載するものだ。
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映像のフィルタ設定
設定できるフィルタは「Detelecine」、「Decomb」、「Deinterlace」、「Denoise」、「Deblock」などで、それぞれ「Default」や「Slow」などの程度が選択できる。ここでは、Detelecine とDecomb を設定した時の違いを見ていく。
フィルタの影響
上の画像の左はすべてのフィルタがOff の状態で、右はDetelecine がDefault 、Decomb がDefault の設定時のもの。
横縞が消えているのはDecomb の影響だという。
Detelecine はフレームレートをもとに戻すような作用をする。
ファイルサイズ
一般的に動画は29.97fps(fps = frame par second) になっているが、アニメーション等の場合は24fps 程度なのだという。だから、1 秒あたり6 フレームを水増ししている状態だ。これを元の状態に戻す作業をDetelecine (デテレシネや逆テレシネ)と良う。画質に影響は無いけれど、1 秒あたり6 フレームを節約できるから、同じ画質なのにファイルサイズをより少なくできると言える。
上の画像はDetelecine がOff になっている状態のもので、プレビュー用に作成されたファイルで5.59MB / 30Sec だった。
上の画像はDetelecine がDefault になっている状態のもので、プレビュー用に作成されたファイルで5.54MB / 30Sec だった。
このことから、30 秒で0.05MB を節約できた事になる。この小さな節約は積もると大きなものになり、テスト用にエンコードした約30 分のファイルでは、Detelecine がOff の時に191MB で、Detelecine がDefault の時に140MB になった。つまり、水増しした分を差し引くだけで51MB もの節約ができた事になる。仮にそれが26 ファイルあったとしたら、単純計算ではあるが、1,326MB も節約できる計算になる。
処理時間
ただし、当然フィルタがOff の時に比べれば処理が増えることになり、Detelecine とDecomb をOff からDefault に変更しただけで、変更前に170fps 程度の処理だったものが60fps にまで下がる。これは処理完了までに要する時間が増加する事を意味している。
バッチ処理
とは言え、HandBrake には便利なキューを用いたバッチ処理が(iso 化してあれば)可能だから、放置する時間が長引くだけで大きく影響しない。
参考文献
- 野良黒 HandBrakeを使ったDVDなどのバックアップファイルのエンコード
- HandBrake日本語版の使い方:DVD/動画ファイルを変換する – SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載
- Compressor 4 ユーザーズマニュアル: デインターレース処理について
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