FreeNAS について幾つか調べた。
FreeNAS とは何か
NAS はネットワークストレージで、ネットワーク上の各端末からアクセスできる領域。例えるならパソコンの共有フォルダ。進化するとファイルサーバになり、専用のパソコンやサーバー機に構築される。ファイルサーバはサーバープログラムでOS 上で動作する。
つまり、OS をインストールして、ファイルサーバプログラムをインストールして・・という作業が必要になってくる。そこで、ファイルサーバ機能の提供に特化したディストリビューション(パッケージ)がFreeNAS 。
FreeNAS はFreeBSD をベースにオープンソースで作成されているから、無料で利用できる。その上、日本語に対応していて、各種設定はブラウザから簡単に行うことができる。極端に言えば市販されているLAN 対応ハードディスクと変わらず、それより多くのことが安価にできる。
※LinkStation や玄箱をハックする場合にはFreelink がある。
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システム要件
- 400MBのストレージ
- 256MBのRAM
- i386およびAMD64アーキテクチャ
- FreeBSDのサポートするハードウェアRAIDカード、ネットワークカード(有線/無線)が動作
- HDD,USBメモリ,コンパクトフラッシュ,CD-ROM+フロッピーディスクなどから起動可能
ほとんどその辺に転がっているシステムで問題なく動作するし、高度なハードウェアを要求しない。また、起動方法も様々で好きなようにできる。CPU の動作速度について書かれていないが、FreeNAS について書かれた記事を読むと「非力なマシンでも十分だ」というものが幾つか見られた。ただし、ネットワークカードについては性能を大きく左右するとの記事もあった。
ZFS を使う場合に限るかどうか不明だが、メモリは2G 以上あったほうが良く、特別な設定も必要のようだ。
参考:FreeNAS 0.7 で ZFS と iSCSI Target を構成する « 環境さんぷる
対応プロトコル
- CIFS
- NFS
- FTP
- SSH
- TFTP
- rsync
- AFP
- UPnP
- iSCSI
NAS として使うにはCIFS や NFS がある。注目するのはiSCSI に対応していること。
FreeNAS の特徴
- iSCSI対応(iSCSIターゲット/iSCSIイニシエータ)
- ソフトウェアRAID(0/1/5 とその組み合わせ)対応、JBOD(Just a Bunch Of Disks)対応
- rsync、Unison対応
- ファイルシステム:ZFS, UFS, ext2/ext3, NTFS, FAT32サポート
- ハードディスク(HDD)タイプ:パラレルATA, シリアルATA, SCSI, iSCSI, USB, IEEE 1394サポート
- ディスクの暗号化:geli (GEOM eli)により動作
- DDNSクライアント機能
- S.M.A.R.T.対応
- syslogサーバへの転送機能
- SNMPモニタリング機能
- ユーザ認証機能/グループユーザ管理(ローカルユーザ認証,MSドメイン認証)
- 電子メールログと通知レポート機能
- ATAoE対応
- iTunesサーバ機能
- DAAPサーバ機能
- UPS(Uninterruptible power supply)サポート
ZFS に対応している事に注目したい。ZFS はこれまでのファイルシステムが持っていた問題を解決する目的で作成されたファイルシステム。
ソフトウェアRAID (やオンボードRAID)は評価が高くないことが一般的だが、FreeNAS と ZFS を組み合わせ、ハードウェアRAID を停止することで信頼性、高速性などの面で良い結果が得られるという。逆に生のディスクを見せない、パーティショニングによる運用などはパフォーマンスを落とすことになるようだ。
ダウンロード
注意点・メモ
- 語弊があるが簡略化した説明のために容認。より詳しく適切な解説は FreeNAS – Wikipedia を参照。
- 「panic spin lock held too long」→atom でFreeNASを使う際の注意点としては最も大事なのは、powed を有効にしないこと。(「FreeNAS 0.7(4919)でiSCSIターゲットが動かない?」より引用)
- windowsのファイル共有ベースで20MB/sは出ます。(「FreeNAS 0.7(4919)でiSCSIターゲットが動かない?」より引用)
- iSCSIの方は激速で、WindowsXP + Microsoft iSCSI Software Initiator Version 2.08 との通信で、70MB/s以上出てました。(「FreeNAS 0.7(4919)でiSCSIターゲットが動かない?」より引用)
- 「***ERROR*** LU1: LUN0: format error」→FreeNAS+zfs+iSCSI構築に挑戦 | Way2Go
- iSCSI の容量拡張した場合は、VMware のvmdk ファイルの容量を拡張した場合同様、ディスクサイズは拡張されるが、パーティションが拡張したわけではない事に注意する。
参考文献
- FreeNAS – Wikipedia
- FreeNAS 0.7(4919)でiSCSIターゲットが動かない?
- ホームサーバーに最適なPCとは
- ZFS上のiSCSIターゲットをサイズ変更、ディスクを拡張して使う(Windows NTFS編) « 旧SawanoBlog.
- 「ftp-adminの憂鬱: ZFSはRAIDと相性が悪い」- Buzzurl [バザール] / ソーシャルブックマーク
- Solaris ZFSでRAID-Zの構築 – Solaris User
- Eyes, JAPAN Blog: ZFSパフォーマンス問題
- ITインフラ備忘録 FreeNASでiSCSI Target (3/3) – iSCSI Target編
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